投稿者: tarokawa

  • アメリカはもう貴族社会

    アメリカはもう貴族社会

    1. はじめに:日本人にとってのアメリカ像と現実のズレ

    日本では「自由の国」「民主主義の先進地」というアメリカ像が根強く残っています。ハリウッド、シリコンバレー、そして大統領選挙。どれもが“開かれた社会”の象徴と見なされてきました。

    しかし、2025年現在、実際にアメリカで起きていることは、そのイメージを大きく裏切るものです。

    本記事では、アメリカが静かに、しかし急速に「貴族社会」へと変貌しつつある現実を、2つの視点から見ていきます。

    • 富と資本の集中による“選ばれた者だけの経済圏”の出現
    • 行政制度を急速に書き換えるProject 2025の政治的実装

    この2つが交差するところに、選挙では選ばれていない“新しい支配層”が現れています。

    2. 格差は「過程」ではなく「体制」になった

    格差という言葉は、長らく「是正できる差」として語られてきました。努力や教育、機会の均等によって縮小されうるもの、と。

    しかし今のアメリカでは、格差は「社会の構造そのもの」となりつつあります。富は、公開された市場ではなく、非公開の資本ネットワークの中で回され、増殖しています。

    その象徴が、イーロン・マスク氏の周囲に形成された“PayPalマフィア”とも呼ばれる経済ネットワークです。彼らは、外部から見えない形で、株式や事業機会を「内輪」で回し、資産を世襲的に積み上げています。

    これはピケティが指摘する「r > g(資本収益率が経済成長率を上回る)」の現実的な姿であり、格差はすでに「固定された秩序」になってしまいました。

    3. マスク氏の非公開資本ネットワークと“公開の拒否”

    SpaceX、xAI、Neuralink、The Boring Company──これらはすべて、マスク氏が率いる未上場企業です。

    彼の初期の企業であるテスラだけは上場していますが、それ以外は意図的に「上場しない」ことを選択しています。

    代わりに取られている手法が、SPV(特別目的事業体)を活用した非公開株の限定販売です。仲間内の超富裕層にだけアクセスを許し、株主リストや財務状況が外部から見えない構造を維持しています。

    この閉じたネットワークによって、

    • 成長の果実は“選ばれた者”だけが享受し、
    • 一般市民はその実態すら知ることができず、
    • 法的にも開示義務が発生しない

    という「透明性なき資本主義」が形成されています。

    4. Project 2025は「乗っ取り」ではなく「再設計」だった

    Project 2025は、2023年にヘリテージ財団など保守系シンクタンクによって出版された政策提言書であり、約1,100ページにわたって行政改革や価値観政策についての提案が記されています。日本ではあまり知られていませんが、これはアメリカの保守派が次期政権に備えて用意していた「政策の青写真」のようなもので、トランプ氏の2期目当選が確定した後、政権移行チームが政策を検討する際にこの文書を積極的に参照しました。実際、政権移行チームの中にはこの文書の執筆メンバーが複数含まれており、Project 2025は“公式には計画ではないが、実質的な指針”として大きな影響を与えることになりました。

    この文書自体は、元々「官僚主導の岩盤規制をどう改革するか」という、真面目な行政改善の試みでもありました。

    しかし、トランプ政権の政権移行期において、その一部(とくに行政人事、忠誠主義的改革、安全保障分野の強権化など)が断片的に悪用され、

    • 行政機構の忠誠化(Schedule F1
    • 連邦機関の裁量権縮小
    • 政策決定の即断即決主義

    といった形で、実質的な「国家再設計」が行われています。

    意図は必ずしも悪ではなかったかもしれません。 しかし、制度の外から強引に実装されることで、“乗っ取り”のような実態を生んでしまったのです。

    5. DOGE:非公式の権力と透明性なき影響力

    正式な行政組織ではない「DOGE(Department of Government Efficiency:政府効率局)」と呼ばれる非公式ネットワークが、トランプ政権下で政策の中枢に食い込んでいます。

    マスク氏はこのチームの“相談役”ないし事実上の主導者として、

    • 行政コスト削減
    • デジタル化・自動化
    • 官僚の削減

    といった名目のもと、実質的には官僚機構を無力化する提案を次々と提示。

    この動きは「効率化」と呼ばれますが、

    • 政策決定の正当性
    • 国民への説明責任
    • 公務の継続性

    といった民主主義の土台を侵食する危うさを孕んでいます。

    しかも、DOGEに関わる人々は政府の正式職員ではないため、誰も説明責任を負っていないのです。

    6. 国家と資本が融合した「現代の貴族制」

    こうして生まれているのが、

    • 制度の外から動かす力(非公式政策ネットワーク)
    • 内輪だけで資産を運用・蓄積する閉鎖経済

    が一体化した、新しい支配モデルです。

    それはもはや“民主主義のなかの格差”ではなく、民主主義の構造そのものを外から凌駕する力として機能しています。

    選挙を経ず、情報開示もなく、法の適用範囲すら曖昧なまま、国を動かす。

    形式的にはまだ「民主国家」でありながら、実態としては“非公式な君主制”が併存しているような状態です。

    7. 民主主義は負けていない

    ここまで述べてきたように、アメリカではいま、富と権力が限られた人物やネットワークに集中し、民主主義の構造が揺らいでいます。しかし、それでも私は「民主主義が終わった」とは言いたくありません。

    なぜなら、民主主義と自由主義は同じではないからです。

    自由主義とは、個人の自由や市場の自由を尊重する理念であり、しばしば国家の介入を抑制する方向に向かいます。一方で、民主主義とは、全員がルールに参加し、ルールに従って社会を動かす仕組みのことです。民主主義は、単なる選挙のことではなく、

    • 権力分立
    • 透明な情報開示
    • 公正な議論
    • 少数派の権利の保護
    • そして、何よりも「ルールへの敬意」

    を基盤にしています。

    この「敬意」が欠けたとき、民主主義は意外なほど簡単に壊れます。

    民主主義は、単なる制度ではなく、過去2000年以上にわたる失敗と反省の積み重ねから生まれた“ルールブックです。暴君の登場、貴族の腐敗、戦争と革命、あらゆる歴史の中で、何が人間社会に必要かを検討し直しながら磨かれてきた知恵です。

    しかし、もしこのルールブックを「面倒」「非効率」として破り捨てる人物がパワーを握ったとき、私たちは歴史を逆行することになります。今のアメリカでは、まさにその事態が現実になっているのです。

    それでも希望があるのは、いまこの瞬間にもルールを守ろうと行動する人々が存在しているということです。

    たとえば、カリフォルニア州やニューヨーク州、イリノイ州、マサチューセッツ州など、少なくとも12の州政府が、

    • Project 2025に沿った連邦政府の命令に準拠しない条例を可決したり
    • 知事が「民主主義を守る州連合」への参加を表明したり
    • 州の司法が、大統領令の執行を一時停止する判断を出したり

    といった行動を起こしています。これは、アメリカという国が「1人の指導者」によって単純にコントロールできる国ではないという証明でもあります。

    今はまだ、民主主義が“勝利”したわけではありません。 しかし、敗北してもいません。

    そしてそれは、制度が頑丈だからではなく、ルールに敬意を払い、守ろうとする“意思”がある人々がいるからなのです。

    8. 結び:かつて自由を体現した国の、現在地

    アメリカはかつて、自由、民主主義、平等の象徴として世界中から注目されてきました。

    しかし今、そのアメリカは、一部の選ばれた人間だけが資本と政策を動かす「貴族社会」へと傾いています。

    しかもその変化は、戦車や暴力ではなく、制度の内側から静かに進んでいる。

    民主主義がまだ生きているからこそ、これは最後の分岐点なのかもしれません。

    次回の記事では、こうした権力構造の裏にあるもうひとつの要素──「宗教」の問題を扱います。

    「宗教の自由」の名の下に広がる宗教支配と、政教分離の形骸化。その深層にある価値観の衝突について、あらためて考えます。

    Footnote

    1. Schedule F は、トランプ政権が2020年に提案した連邦職員制度改革で、一部の政府職員を「政治的任用職(political appointee)」として再分類し、大統領が自由に解雇・任命できるようにする仕組みです。
      制度としては一度撤回されたものの、2025年1月21日に大統領令によって再導入され、現在では国家公務員の中立性と雇用保護に反するとして複数の労働組合が連邦裁判所に提訴しています。
      訴訟では、1978年の公務員制度改革法との整合性や、行政手続法(APA)に違反している点が争点となっており、Schedule F は単なる人事改革を超えて、行政機構の独立性と民主主義の根幹を揺るがす制度として、全米で注視されています。 ↩︎
  • アメリカの宗教観が「異質」な理由 〜なぜ科学より信仰が強く残ったのか〜

    アメリカの宗教観が「異質」な理由 〜なぜ科学より信仰が強く残ったのか〜

    1. カナダやメキシコと違うアメリカの宗教事情

    アメリカ、カナダ、メキシコはいずれもヨーロッパからの移民によって建国された新大陸の国家です。ところが、宗教観のあり方はこの3カ国で大きく異なります。

    国名主な宗派創造説支持率宗教と政治の関係
    アメリカプロテスタント(特に福音派)約40%共和党と福音派が強く結びつく
    カナダカトリックとプロテスタント10〜15%未満宗教の政治的影響は限定的
    メキシコカトリック圧倒的ほぼ見られない政教分離が進んだ世俗国家

    特にアメリカでは、聖書の内容を文字通りに信じる「創造説」や、「聖書は神の言葉で誤りがない」とする信仰(聖書無誤説)が広く浸透しており、先進国としては極めてユニークな状況です。

    🧠 補足:聖書を「文字通りに信じる」とは?

    アメリカの福音派の中には、「聖書に書いてあることはすべて歴史的事実であり、科学よりも正しい」と信じる人が少なくありません。たとえば:

    • 天地創造:「神が6日間で世界を創った」(創世記)という記述を、比喩ではなく実際に6日間で宇宙が作られたと信じる。
    • ノアの方舟:大洪水で全地球が水没し、ノア一家と動物たちだけが箱舟で助かったと信じる。
    • 進化論の否定:「人類は猿から進化した」のではなく、「最初の人間アダムとイブが神によって創られた」と信じる。

    こうした信仰は「聖書無謬説(聖書は神の言葉であり一切誤りがない)」と呼ばれます。

    📌 コラム:アメリカ宗教観の驚き

    アメリカの福音派(エヴァンジェリカル)や原理主義的な信仰を持つ人々の中には、「聖書に書かれたことは文字通りの真実であり、科学よりも優先される」という考え方を持つ人が少なくありません。

    たとえば:

    • 🌍 天地創造:「神が6日間で世界を創った」との創世記の記述を、そのまま歴史的事実として信じる。
    • 🧬 進化論の否定:ダーウィンの進化論は間違いで、「人間はアダムとイブから直接創造された」と考える。
    • 🛳 ノアの方舟:全世界を覆う洪水があり、ノアの家族と動物たちだけが箱舟で救われたと信じる。

    これは「聖書無謬説(inerrancy of the Bible)」と呼ばれ、聖書の記述には一切誤りがないとする立場です。

    日本では「宗教=道徳・文化の一部」とみなされることが多く、宗教的文書と自然科学が対立・競合するという発想自体がピンとこないかもしれません。しかしアメリカでは、信仰が公教育や科学政策に直接影響を与える例が多く存在します。

    たとえば:

    • 🏫 教育の場で創造説を教えるべきだという声が州議会で議論される。
    • 🌱 気候変動や環境保護の対策に対して、「神が世界を管理しているから人間が口出しすべきではない」という宗教的立場から反対する層が存在する。

    これは単なる信仰の問題ではなく、アメリカ国内での科学的合意と政策形成に深刻な影響を及ぼす現象でもあります。

    🧭 参考リンク
    英語版Wikipediaの以下のページでは、世界各国におけるプロテスタント人口の分布が視覚的にまとめられています:

    👉 Protestantism by country – Wikipedia

    この地図を見れば、アメリカ合衆国にプロテスタントが多く住んでいることが一目でわかります。特にアメリカ国内では、農村部にプロテスタント(特に福音派)が多く、都市部では宗教観が薄れつつある傾向も見て取れます。

    ※日本語版はまだ存在しないため、英語での閲覧となります。

    2. なぜアメリカでは信仰がここまで強く残ったのか?

    アメリカの宗教観がここまで「特異」なのは、次のような建国の経緯と宗教的背景に深く関係しています。

    (1)宗教の自由=無宗教ではなかった

    清教徒(ピューリタン)たちは「信仰の自由」を求めてイギリスから脱出しましたが、彼らが求めた自由は「何も信じない自由」ではなく「純粋なプロテスタントの世界を築く自由」でした。

    (2)カルバン主義と福音派の影響

    建国初期のプロテスタントは、カルヴァンの予定説や労働倫理に強く影響されており、これが後の福音派(エヴァンジェリカル)に引き継がれました。福音派は特に、

    • 聖書至上主義(進化論否定など)
    • 個人的な信仰体験(ボーン・アゲイン)
    • 社会的保守主義(反LGBT・反中絶) などの特徴を持ち、共和党の強力な支持基盤となってきました。

    3. アメリカとヨーロッパの決定的な違い

    ヨーロッパでは、宗教が国家と強く結びついていたがゆえに、近代化とともに宗教自体が衰退していきました。一方アメリカは、宗教が国家から分離されていたことで「自由競争の宗教市場」が成立。かえって宗教が活発に生き残る土壌となりました。

    その結果、「科学より宗教を信じる人が多い先進国」という、非常に稀有な存在になったのです。

    4. 結論:アメリカという「信仰の国」

    アメリカの宗教的土壌は、自由と信仰の両立という理想に基づくものでしたが、それが結果的に宗教的原理主義の温床にもなりました。

    この背景を知っておくことで、トランプ政権における福音派政策や、共和党と宗教の強い結びつきが、単なる票集めではなく、歴史に根ざした構造であることが見えてきます。

  • 独裁的な傾向のある国々に対抗する日本の連携戦略

    日本の外交は最近、北朝鮮のミサイル開発の停止や拉致被害者の救出、さらにはロシアとウクライナの問題の解決など、多くの課題に直面しています。これらの問題に対して、行き詰まりを感じることもあります。しかし、日本は武力による紛争の解決を認めず、外交努力と交渉で問題を解決するという決意を持っています。

    外交は複雑なパワーバランスのコントロールが求められるため、非公開な部分も多く、見えにくいことも多々あります。実際には、日本はASEANやQUADといった東南アジアから環太平洋を巡る広い地域との友好・協力関係を築いています。

    例えば、ASEANとの連携強化においては、経済連携協定(EPA)を締結し、貿易と投資の拡大を図っています。また、インフラ整備や技術支援を通じて、東南アジア諸国の発展を支援しています。さらに、日本はインド、アメリカ、オーストラリアと共にQUAD(クアッド)を通じて、安全保障面でも連携を深めています。定期的な首脳会議や共同軍事演習を実施し、地域の安定と安全を確保するための協力を強化しています。

    これらの取り組みにより、日本はロシアや中国といった専制主義国家群に対抗するだけでなく、地域全体の平和と安定を支える重要な役割を果たしています。

    このように、日本は地域の平和を維持するために、環太平洋や南アジアとの連携を強化することが不可欠です。友好関係の強化は、地域全体の安定と繁栄に繋がる重要な一歩です。日本の外交が持つ強みを活かし、これからも地域の平和と安定に貢献していくことを期待しています。

  • Vision Pro

    WWDCの講演を見ていました。最後に One More Thing ときて、MRヘッドセットの紹介がなされたのですが、これが、付け足しの一つどころではなく、とてつもないビッグな内容でぶったまげました。 装着者の表情が見えるように、表情をAIで描画して、外向けのパネルに表示するとか、M2レベルのハイエンドプロセッサを 2個搭載するとか、もうぶっちぎりの高機能高性能を目指していて、こりゃプライスタグは100万円を突破しているのじゃないのか… と、思っていましたが、最後に価格が USでは 3499ドルと表示されまして、安いっ
    いえいえ、決して安くはないのですが、性能・価格比でとてもコスパが良いだろうと思うのです。
    また、 iOSアプリがそのまま MR空間内で動作するところがとてもよいです。片目ごとに4Kを超える解像度の巨大表示がなされるところも素敵です。現実世界をシースルーして、仮想世界の中に現実世界を持ってきているのか、現実世界の中に仮想世界を配置しているのかは、思考の主体をどこに置くのかの問題ですが、そうした従来にない I/O を実現する新しいデバイスには期待大です。
    名称が、Vision Pro となっているところが面白いと思いました。つまり、ハイエンドデバイス扱いですね。ハイエンドがあるということは、ミドルレンジもあるでしょうし、もしかしたら、ローエンドの Vision SE などもありえます。まあ、Apple製品は、競合との比較とか一切考えていない、理想だけを追求した高価格品からスロースタートするのがいつものパターンですから、Vision Proがいきなり大量に売れるということはそうそうないでしょうが、作り込みが素晴らしくて満足度が高そうですから、じわじわと普及していくでしょう。MRヘッドセットは、入出力が双方ともに充実して、リンク機能も充実しているApple製品の購入を目指そう。というのは、iPadとVision Proの間でアプリのハンドオーバーがおそらくできると思うのです。他社製品にはそんな芸当はできないでしょう。値段は高くても、そのあたりで価値に雲泥の差があると思いました。

  • Windows11: Explorerの動作が遅い問題、拡張検索にすると解決した

    Exploreの動作が遅い時Google検索してみますと、よく紹介されるテクニックはフォルダオプションで、「エクスプローラーで開く」の設定を「ホーム」から「PC」に変える、「最近使用したファイルを表示する」「頻繁に使用されるフォルダーを表示する」「Office.comのファイルを表示する」の設定をオフにする、というものです。そうした昔に戻す設定もよいとは思うのですが、新機能をオフにするだけでは面白みに欠けるなぁと思っていました。「最近使用したファイル」を列挙するのなんて、LRUアルゴリズムを適用するだけですから、そんなに処理が遅くなるはずがないと思っていたのです。ただ実際遅くなるのは確かでして、どうしてだろうと。

    そうしたら、遅くなる原因はファイル探索にあるようで、Windows検索の動作を拡張検索にするとエクスプローラーがファイル情報を取得するのが速くなり、結果としてExplorerの動作が速くなるようです(扉画像)。にしても、このダイアログボックス、拡張検索にすると重くなるように見える書き方。実際リソース量としては書いてある通りなのだろうけれど、処理能力が向上した現在のプロセッサに合うのは、拡張検索の方のようです。

  • うまく行かない、dアニメストアとdスマートバンクの組み合わせ

    私はドコモの回線は利用していませんが、アニメオタクですので、ドコモはとても重要なサービスです。つまり、 dアニメストア、これが重要な存在なのです。他の映像配信サービスとは異なり、アニメのシリーズ話数毎のマネジメントができ、アニオタの心に刺さる便利機能がいろいろあります。他に、dマガジンが他の雑誌配信サービスとは異なり、記事のジャンル別の複数雑誌にまたがるキュレーションが行われているのが特徴で、使い心地がよいサービスです。これらはすべて、dマーケットなるページに他の d~ のサービス群と一緒に列挙されていまして、一括して契約したり解除したりできるようになっています。

    ところが、サービスそれ自体は満足度がたかいのですが、しかし、うっとうしい点があります。毎月の請求が同じ日にd~サービス毎に別々にやってくるのです。毎月のことですが、これがなかなかにやっかいで、大量にクレジットカード会社から利用通知と確認通知がずらりとバラバラにきて、その決済確認作業がめんどくさいです。なんとかならないものでしょうか。

    で、そうこうしているうちに、同じドコモのサービス内にdスマートバンクなるものを見つけました。おお、これはありがたい、毎月、メインの口座からドコモ向けの予算額をdスマートバンクに送金し、各料金はスマートバンクの口座から引き落としてもらえばよいです。
    そう考えたのですね。で、とりあえず、さくっとスマートバンクの口座を開設して、そのデビットカードを dマーケットに登録して、 dアニメストア等の料金を引き落としてもらいます。
    これ、うまく行きそうですし、実際、初回だけはうまく行ったのです。ところが、2回目からはエラーになってしまいます。どうも、初回は dスマートバンクの利用確認をした直後に引き落とされるから成功するのですが、つぎの月からの自動引き落としは、利用確認がなされないから失敗する様子。これでは使い物にならないではありませんか! スマートバンクのデビットカードがエラーになりますので、同じドコモサービスなのですから、スマートバンクからの直接銀行引き落としなど、そのほかの手段はないでしょうかと考えましたが、支払いメニューを何度再確認してもそうした設定は見当たりません。詰みました。

    というわけで、今のところ、ドコモ関係のコンテンツ支払いを dスマートバンクに統合して、支払いをメインバンクからの振り込み一発で済むようにしようという作戦は失敗に終わったのでした。

  • 電車から降りたあと、しばらくホームでたたずむ、というライフハック

    人混みが嫌いです。密集しているといろいろ小さなストレスが発生します。いや、別に困るほどの問題ではないのです。混んでいるときはお互い様です。とはいえ、大きな駅の混雑は、いやですね、と、思っていました。

    が、ある日、気付いてしまいました。ラッシュアワーの最中でも、ガラガラな時間があると。

    トップにおいた写真は、信じられないかもしれませんが、ラッシュアワー時間帯の東京駅のとある瞬間なのです。が、人がいません。このときは、少し喉が渇いて、自販機に立ち寄って一本飲み干したのですが、そうしたら、いつもギッチリ人がいるところがガラガラになっている事に気付きました。

    実は、駅が混んでいるのは、電車が到着した直後のほんの数分だけだったのですね。一分経つだけで実はガラガラの快適な環境に。こんな密度ムラが存在していたとは、知りませんでした。

    これを知ってから、駅でホームに降りてから、少し、たった一分ですが、ホームでぼんやりして団体(?)が過ぎさるのを待つのが行動パターンになってしまいました。近くのトイレに立ち寄るのでもよいです。ほんの少し時間を遅らせれば、快適だからです。

    しばらく観察していますと、乗り換えの山手線車両が混んでいるとは限らないことに気付きました。いつも混んでいて座れないですと思っていましたが、実際には混雑状況にムラがあり意外と空いていて座れてしまうときもありました。他の路線から降りた団体がちょうど乗り換えたタイミングの電車は当然混みますが、一本やりすごすと乗り換え客が入っていなくて、ガラガラだったりすることもあります。約束はできません、これは非常に複雑な系ですから、確実な予想はほぼ不可能です。ただ、次の電車がこの電車と同じ混雑状況とは限りません。毎日同じように最速で乗り換えていますと、混む電車に選んで乗っている状態になっているかもしれません。

  • 一時的な作業ファイルやメモ類は日付フォルダに入れておきます

    パソコン作業の流儀は人によって様々なのでしょうが、私が一日の始めにやる作業は今日の日付のフォルダを作成することです。パソコン作業を進める上で、様々なメモ書きのテキストファイルや断片的なソースコードや、資料画像や各種アプリケーションの一時ファイル、ネットからダウンロードしてきた数表など必要になりますが、こうしたものは、いかんせん日々異なる内容になりますし、雑多ですので、どう整理を付けるか悩ましいのです。長期間保存することになるファイルや、進行中のプロジェクトの公式なファイルは、話が簡単で、それぞれのドキュメントフォルダに格納すればよいのですが、最終的には残さない一時的なファイルの扱いがやっかいなのです。
    最初は、デスクトップにそうしたファイルを置いていた時期もありますが、デスクトップが散らかってなにがどこにあるのか分からない状態になります。収拾がつかないのですよ。
    デスクトップではなくて、一時ファイルというフォルダを作って、そこにおいておくようにした頃もありました。エクスプローラーの並べ替えメニューには、グループ化のメニューもあり、グループ化→更新日時を選択しておきますと、グループ別に表示されるようになりますので、今日のファイルと昨日までのファイルが明瞭に区別されて表示され分かりやすくはなります。ただ、直近は、日単位なのですが、古いものになると週単位、月単位でのまとめ表示になり、古いファイルは混乱してみえてよくありません。

    そのうち、単純に毎日、新しい日付のフォルダをつくって、雑多なファイルは日付別に保存しておけばよいと思いまして、最終的には、毎日最初に日付のフォルダを作成する習慣になりました。
    あとになって、思考の経緯を振り返りたく思うときがありますが、その時、その作業をした日付のフォルダを開けば、その日に一時保存した履歴がそこに残っていますので、思い出しやすいです。また、別のことを考えていたであろう別の日のファイルは、混ざらない点も、雑多ファイルを見分けるのに便利です。一時ファイルがもう参照することがないほどに古くなったときや、ディスクが一杯になってきて容量を整理したいときも、日付で削除する範囲を一括で選んでばっさり削除しやすいです。

    最初に今日の日付でフォルダを作成するのは、毎日のルーティーンになりますから、自動で実行できるようにしておくともっと便利になります。これはそういうプログラムを作るのがよいでしょうが、初歩のプログラミングの練習問題としてちょうどよい課題だと思いましたので、答えは書かないことにしました。

  • マスク・ルール

    ノーマスクでもよいのでは、という社会情勢ですが、自分は人混みではマスク着用する、というマイ・ルールにしています。具体的には、電車の中など、10分以上継続して他人と一緒にいる場合にマスク着用しています。

    実は、マスクを着用していない時間の方が長いです。だから、マスクについて、あれこれ思いませんが、他人からどう見えているかは、どうなのでしょうか。通勤中(マスク着用です)の姿しか見ていない人には、常時マスク着用していると思われていたりするかもしれません。

    なぜ、マスク着用を維持しているか、これは、もはや新型コロナ対策ではなくて、単に各種感染症を防ぐため、な、気がします。風邪を引かない、インフルエンザにかからない、熱を出して会社を休まない、それだけで、メリットが大きいですし、実際風邪を引かないで一年を過ごすことが、マスク着用で可能になる、ということを知ってしまったのが大きいです。これ、快適なのです。インフルエンザによる経済効果はマイナス5000億円、などと新型コロナ流行以前には言われていましたが、お忘れででしょうか。

    また、マスク自体の改良も大きいです。ここのところ、マスクに隙間をなくしつつ、しかし、マスクの空気が通る面積は大きくすることで息苦しさを軽減する工夫が進化しており、見た目はそう変わらないのですが、着用しているときの付け心地はすごくよくなりました。

    新型コロナウィルスという呼び方になっていることに、注意は必要です。コロナウィルス自体は以前からあったということです。酷い謎の肺炎を引き起こし、人がバタバタと死んでいくことから、これは特別な感染症だと区別するため、新型、と呼ばれるようになったわけです。この経緯からしますと、これはウィルスの型が変異したのであり、突然出現したのではない、と、考えています。この変異は現在も続いており、最近の流行の型は、症状が重症化したり肺炎を起こしたりしなくなりました。こうした状況を受けて、コロナウィルス感染症をインフルエンザ感染症と同じ扱い(ニュースで報じられる5類ということです)にすることになり、マスク着用の義務が外れました。ただ、この話には用心が必要であり、変異は続いているということです。再び重い症状を引き起こすように変異する可能性もまだあります。重くならない病気になったから気にしなくてよい、ではなく、とにもかくにもどの病気にもかからないようして快適な生活を維持することがたいせつと考えています。

  • 物欲: OM SYSTEM E-P7が欲しいぞ

    デジタルカメラは、メインで使っているのはリコーGR3とGR3xの2台でこれは何の不満もない高画質カメラだと思います。ただ、休日とかにもっとじっくり写真に取り組みたいと思うとき、単焦点レンズ2本だけ、というのは、寂しい感じを受けるのですね。もっと多様なレンズを使ってみたい、特に望遠レンズ系を強化したい気持ちは強いです。

    望遠レンズに関しては、ソニーWX350を潜ませていて、これで大きく写せるのですが、画質は微妙に物足りない感じで、しかも、基本すべてオート固定なコンデジであるため、いくつかの基本的な調整はできますものの、工夫できる要素が少なくて、自由度に不満があります。

    この辺の不満点に悶々としていたところ、マイクロフォーサーズという小型カメラ規格を知り、最初はパナソニックのLUMIXを注目していましたが、OM SYSTEMが面白いと思うようになってきました。

    OM SYSTEMは、アウトドアに特化したカメラを用意していますが、基本的にシンプルに忠実で昔からある素直な設計をしているので基本性能が高く、かつ、お値段が比較的安いことになります。作例作品を見るに、十分な高画質性能があり、私はこれで満足できそうですし、工夫の仕方が想像できます。

    注目しているカメラは、PEN E-P7 というモデルで、外見がGR3に近いから組み合わせて併用するのに親近感を抱きました。
    何より、シンプルでコントロールしやすそう、つまり、作品作りに工夫できる余地が豊富そうなところが魅力的です。また、今まで使っていた銀塩カメラの焦点距離と比べ、焦点距離がちょうど半分になるところが直感的で好ましいです。この撮像センサのサイズがフルサイズに比べて小さいところが、不利と言われますが、実際のところ画質はセンササイズだけで決まるわけではありませんし、それよりなにより、半分サイズであるため、小さく軽くまとまる持ち運びのしやすさが大きなメリットだと思います。

    OM SYSTEMの製品で、気になっているカメラは、 PEN E-P7という機種です。見た目はGRと似たような外見で、一緒に使っていて親和性が高そうな印象です。

    OM SYSTEMのレンズラインナップで注目しているレンズは5本ほどあります。

    • M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
    • M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
    • フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980(9mm F8.0 Fisheye)

    なんだか、単焦点レンズが多くて、ズームレンズは望遠レンズの一本だけですが、この組み合わせは、実は、子どもの頃使っていた一眼レフカメラで慣れている組み合わせになっていて、この組み合わせが楽しそうに思えているのです。

    17mmは、フルサイズでは35mm相当レンズに近い画角になるはずです。少しだけもっと広いのかもしれませんが、35mm相当は一番好きな画角で、子どもの頃、このレンズをもっともよく使っていました。GR3でも、クロップモードで35mm相当にして撮ることが多く、ワンタッチでこの画角を呼び出せるようにしています。

    30mmマクロは、フルサイズでは60mm相当になりますから、ほぼ標準レンズ(すこしだけ狭い)という画角でしょうか。私には、50mm相当の標準レンズは少し望遠レンズのように感じますので、望遠マクロ的な感覚になるかもしれません。近寄って大きく写すのが得意なレンズであるはずです。

    45mmマクロは、フルサイズはでは90mm相当になり、この画角は、集中して何かモノを見ているとき、眼が一度に捉える範囲と一致すると言われます。駅のポスターを自然に見られる距離に立ち、そこから90mm相当レンズで撮りますと、ポスター一枚いっぱいと撮影範囲が同じくらいになるはずです。モノがとても自然に写りますし、ダイナミックな切り取り演出もしやすい画角だと思います。 GR3xでは、クロップ機能でこの画角を出せません。それだけ望遠レンズは気になります。

    この上の単焦点に、75mm F1.8 (フルサイズ150mm相当)もラインナップにあります。これも楽しそうな画角だと思いますが、お値段が少々お高いレンズです。しかし、面白いことに、この領域はズームレンズが、お安いお値段で提供されております。機能の差もありますが LUMIXの同じような画角のレンズより、ずっと安く仕上がっていて、それに惹かれました。レンズ内手振れ補正機能がありませんので、それだけレンズがシンプルになっていると理解しました。手振れ補正はボディにもありますので、きっと大丈夫だろうと思います。この75-300 (フルサイズでは 150-600mm相当)は、GR3xでは撮れない超望遠の世界ですので、特に気になります。最初に欲しいというか注目したのは、この望遠レンズでした。ですごいのはこのサイズで、600mm相当の長玉レンズですのに、手のひらにのるのです!驚きです。

    最後は、逆に超広角レンズで、画角180度のフィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)。このレンズは絞りが固定、撮影距離が2ヵ所だけの切り替え式になっている簡易レンズですが、カタログ上交換レンズのところではなく、アクセサリ商品のところにのっています。これは遊べそうで楽しそうです。

    この辺までにしておきましょう。 こういうのは、カタログを見ている間が一番楽しいです。実際に買えるかは、今は経済的な余裕がなかなか厳しいですので、ボーナスがでたあとのお財布と相談になります。